封印作品の闇(安藤健二・著、大和書房)
先日、タイトルにある書籍を買って読んでみました。なおこの本は2006年に太田出版から発売された「封印作品の謎2」を改題・加筆・修正・再編集したものです。
「封印作品」、その定義についてはいろいろありますが、私なりに考えると、かつてメディア(映画・TV・書籍)で発表され、人気が出てなおかつ現代まで人々の記憶に強く残っているにもかかわらず、何らかの理由でその後発表が打ち切られた作品のことです。
この本で「封印作品」として取り上げられているのは、
(1)キャンディ・キャンディ(真ん中の点は正式にはハートマーク。以下、「キャンディ」と表記。)
(2)サンダーマスク
(3)ジャングル黒べえ(以下「黒べえ」と表記。)
(4)オバケのQ太郎(以下「Q太郎」と表記。)
です。各作品が封印された理由を、著者が多くの困難の中追求する一冊です。
(以下、この本の内容に触れています)
「封印作品」について、私は過去に差別表現に関する本はたくさん読んだことがあります。そこでは、作品が「差別的」と抗議された上封印された例が多く紹介されていましたが、その中には明らかに内容が酷いものがある一方、差別の意図は無いのに、いわゆる「差別用語」を使っただけで非難され(「言葉狩り」とも呼ばれている)、また特定団体の抗議・糾弾を恐れて「臭い物に蓋」のように、メディアが過剰に自主規制して「問題作」を一斉に封印するに至った一連の問題について考察していました。しかし本書で取り上げられた作品で、差別問題に該当すると思われるのは「黒べえ」だけで(とはいえ、実際に当該作品の差別の有無を検討した動きは見られない)、他作品については「Q太郎」の一部は差別的と抗議されたものの、全体的には特に問題が無いのに発表が打ち切られました。
何故か?それは、著作権にまつわるトラブルが理由のようです。「ようです」と表現したのは、本書では「黒べえ」も含めた4作品について、厳密には封印理由がはっきり断定されていないからです。著者が各方面に精力的に取材したものの、真相を語らない(取材を断念した)当事者もおり、完璧な全容解明とまでは行っていません。しかし、それでも多くの証言と図表を収集し、真実にギリギリまで「肉薄」した著者の努力・迫力は強く感じられました。
(つづく)
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